2022/04/30 15:18
カディは、伝統的な手紡ぎ手織布の総称です。インドの独立運動中に自国の産業を復興させ、手紡ぎ手織り布によるインド人の自立を目指すために誕生しました。マハトマガンディーが反英独立運動の際に身につけていた白い布がカディです。
ガンディーはイギリスからの輸入品が主流だった植民地支配当時(19世紀後半)、インド古来の手紡ぎ手織りの布を見出しました。カディをインドの未来と重ね合わせ、インドを自分たちの手に取り戻すために、糸車で糸を紡ぎ、布を織ることを推奨し自らも実践しました。
カディを復興することは、インドの手仕事と伝統とともにインドを取り戻すことでした。非暴力不服従の精神を貫いたガンディーのその強い信念が人々を動かし、イギリスからの独立が勝ち取られたのです。カディはインド独立運動の象徴とも言えます。
ガンディーが残した言葉、「Khadi is not just a cloth. It is thought (カディはただの布ではない。思想である)」は、現代の私たちの胸にも響きます。今のアパレル業界の状況にも少なからず重なるものがあるように思います。
ORIENTAL GATE がカディの製品を作ることは、ガンディーが残したカディの文化を受け継ぎ後世に伝えることの一助となります。手仕事から生まれるカディは思想である。ということは、私たちは思想を受け継ぐのだということになります。手仕事の伝統を守る弊社の思いを象徴しているのがカディです。
カディの糸はチャルカと呼ばれる糸車を回しながら手で紡ぎ出されます。手回しの加減は不均一で糸の組成にムラが起こります。
また細く切れやすいため、切れたところを手で紡ぎ合わせることでフシ(ネップ)が生まれます。それが機械紡ぎの糸には見られないカディに独特の味のある風合いと味手触りをもたらします。
サステナブルなという言葉が流行している今日ですが、本当に地球に優しい生活は、急激な近代化が進む以前には当たり前に存在していたという事実を忘れてはなりません。
私は大量生産、大量消費の対極を行くブランドを作ろうという思いを、ネパールに渡った時から抱いていました。弊社は伝統を守るという視点から、サステナブルな生産方法を行っていると自信を持って言うことができます。
ファッションとしてのカディ
思想などと難しい事はさておいても、カディはファッションアイテムとしても最高に素敵な生地です。まるで着ていないように軽く、肌触りが柔らかく、風を通す服。透け感と、不均一な風合いを持つ布。
糸を紡ぐことから始まり、糸巻き、糸引き職人などを経て手織りされる完全手作業の工程は、大量生産とは比べ物にならないほど手間がかかりますが、その工程を経ることでしか生み出せない魅力を持っています。
最近は、ニットと合わせるなど異素材同士の組み合わせを楽しまれる方も多く、一年を通じてご購入いただいております。
思想と魅力のつまった、ORIENTAL GATE のカディの服をお選び頂ければ嬉しく思います。オンラインショップと各地のPOP UP SHOP にて、販売いたしております。
今後のイベント情報
■『Nature and Creation featured by ORIENTAL GATE Vol.5』
会期:2022年4月30日(土)~5月15日(日) 月・木曜日は休業日
時間:13:00~18:00
場所:the ETHNORTH GALLERY (ザ・エスノースギャラリー)
東京都台東区谷中3-13-6
■ POP UP SHOP 名古屋星ヶ丘三越
会期:2022年5月18日(水)〜5月24日(火)
時間:10:00〜19:00
場所:名古屋 星ヶ丘三越 6階 TSUNAGUステージ
■『Himalayan Treasure』ネパールの自然と伝統を未来へ
期間:6月22日(水)〜 6月28日(火)
時間:9:30〜20:30
場所:丸善・日本橋店 B1F イベントスペース