2021/05/08 21:24
カディとは主にインド大陸で生産されている手紡ぎ・手織りの布のことを言います。マハトマガンディーが反英独立運動の際に身につけていた白い布がカディです。
ガンディーはイギリスからの輸入品が主流だった植民地支配当時(19世紀後半)、インド古来の手紡ぎ手織りの布を見出しました。カディをインドの未来を重ね合わせて、インドを自分たちの手に取り戻すために、糸車で糸を紡ぎ、布を織ることを推奨し自らも実践しました。
カディを復興することは、インドの手仕事と伝統とともにインドを取り戻すことでした。非暴力不服従の精神を貫いたガンディーのその強い信念が人々を動かし、イギリスからの独立が勝ち取られたのです。カディはインド独立運動の象徴とも言えます。
ガンディーは「Khadi is not just a cloth. It is thought (カディはただの布ではない。思想である)」という言葉を残しています。
その後、変化を遂げながらもこの活動は思想となり、現在でもその当時に設立されたガンディーアーシュラムで、カディの糸は紡がれています。
カディの糸はチャルカと呼ばれる糸車を回しながら手で紡ぎ出されます。手回しの加減は不均一で糸の組成にムラが起こります。また細く切れやすいため、切れたところを手で紡ぎ合わせることでフシ(ネップ)が生まれます。それが機械紡ぎの糸には見られないカディに独特の味のある風合いと味手触りをもたらします。
ORIENTAL GATE のカディーは、インドのガンディーアーシュラムで紡がれた糸を輸入し、ネパールで手織りしたものです。メイドインインディア&ネパールの布と言えます。
私がネパールでモノづくりを始めた当初から、インドのビハール州(ネパールに国境を接する)に住むインド人に親子二代に渡ってずっと布の生産と糸の輸入をお願いしています。今はうちの仕事しかしていない息子さんは、スタッフ同様の存在です。その彼が、ガンディーのことを語った時の誇らしげな表情はとても印象に残っています。
手紡ぎ手織りの生産方法を守ることは、手仕事の伝統を絶やさないことです。サステナブルなという言葉が流行している今日ですが、本当に地球に優しい生活は、急激な近代化が進む以前には存在していたという事実を忘れてはなりません。
大量生産、大量消費がもたらすものについて知ってしまった今だからこそ、昔からの伝統を守るという視点からサステナブルな生産方法にこだわる弊社の服をお選び頂ければ嬉しく思います。